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【新制度】相続登記の義務化について その1

コラム

今回は相続登記の義務化について解説します。

 ▷どうして義務化になったの?

相続登記はこれまですべき期間が定められていませんでしたが、所有者不明の土地の問題を解決するために、期限が設けられました。

不動産を相続しても、様々な理由から登記をせずに放置された土地が多く、今回の義務化のきっかけとなりました。

過去の相続分についても相続登記が義務化されるため、相続した不動産の名義の変更がなされていない場合は、登記をする必要があります。

1. 相続登記とは

相続登記とは、亡くなった人が所有していた不動産の名義を相続人の名義へ変更することをいいます。

たとえば、亡くなった父親名義の不動産を長男が相続した場合、長男はその不動産の所在地を管轄する法務局に相続登記を申請して父親名義から自分の名義に変更する必要があります。

2.相続登記をしないとどうなる?罰則はあるの?

2-1 相続登記をしないと、不動産の売却ができない

不動産の名義を変更せず、名義が亡くなった人のままであったとき、相続した不動産をすぐに売却することはできません。
不動産の売却を行うためには不動産の所有者である必要があるからです。相続した不動産を売却する際には、まずは相続登記をすることが必要と覚えておきましょう。

2-2 手続きが煩雑になる

不動産を相続する際の手続きは相続人全員の同意が必要なケースが多く(○○で解説)不動産の相続登記がきちんと済んでおらず、そのまま相続人が亡くなってしまうと、そのまた相続人が権利を引き継ぐので、関与する人数が増えます。

そうする事によって、手続きや、必要書類が煩雑化していきます。

また、相続人が亡くなってしまうと、その相続人について相続が発生するため、関係者の数が増えてしまいます。
相続人が増えるだけ、協議をする機会を設けることが難しくなり、また、話し合いがまとまる難易度が高くなってしまいます。

2-3  3年以内に登記しなければ、10万円以下の過料

相続登記の申請期限は「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、相続により不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内」

分かりやすく言うと、自分が相続したことを知ったときから3年以内と考えればよいです。

正当な理由なく、この期限内に登記をしなかった場合、法務局から一定の期間内に申請をすべき旨の「催告」がされます。この催告にも応じなければ、10万円以下の過料が科せられることになります。

この過料は、義務化の施行日(2024年4月1日)以前に発生していた相続にも適用されます。

2027年3月末まで猶予期間がありますが、正当な理由なく期限内に申請しなければ、過去に相続した不動産についても10万円以下の過料の対象となります。

行政書士オフィスさらら 福家知代子